市場調査は、
(ⅰ)ネット情報(ⅱ)自院レセコン情報(ⅲ)訪問(ⅳ)アンケート(ⅴ)面談
といった手法により行います。
内閣府や専門情報チャネルにより、地域人口動態や疾病動向、競合の情報が得られます(ネット情報)。さらに自院のレセコンデータから、住所地、年齢、来院頻度等自院に来院している患者情報を把握できます(自院レセコン情報「DPCデータは開示されており、患者やオペデータ等の入手が容易です」)。また競合病院への訪問を行い、駐車場の混み具合や、待合室の状況を定点観測したうえで、曜日、時間帯別、医師別診療科別の来院状況を把握することができます(訪問)。そして入院外来患者にアンケートを行い、当院の問題や日常的に通院している他の医療機関の情報を得ます(アンケート)。
もちろん、他の病院の事務長に、公的な会において情報を得ることや、協力関係にある他病院事務長との間で、情報交換により有益な事実を知ることもできます(面談)。これらを行った結果、外部からみた自院、他院や地域情報を全体的に掌握し、課題や問題、そして自院の強みや弱み、機会や脅威を分析(SWOT分析)します。なお、マーケティングの4P(プレイス、プロダクト、プライス、プロモーション)やパープルカウを入れた5Pを念頭に置いた着眼、そしてトップマネジメントに直接入る情報も大切です。
上記の情報を整理する段階で、それらをも加味してみることもよいでしょう。
上記の手法は当たり前のことですが、個々には実行していても、体系的に行っていない病院が多いのではないでしょうか。自院でさらに必要な事項を追加したうえで、定期的に市場調査を実施し、目的を達成したいものです。