弊社には日々現場で発生した事項への相談があります。今回は解決の方向を示した2つの事例を挙げ、マネジメントのあり方について検討します。
[相談1] スタッフ同士の相性が悪く、一方より部署移動の希望が出ています。2人とも問題があるので、どちらが悪いとは言えませんが、当人同士の歩みよりなく、異動させていいのか。彼らは移動させても歓迎されるメンバーではありません。
異動する事で、その部署が人員不足になることについてもう一方の職員は、一緒に仕事するくらいなら忙しい方がマシと言っています。どうしたらよいでしょうか。
[回答1] ビジョンや組織の進む方向が明確ではなく、日々の小さな目標を現場でこなしているため、組織のなかでの自分達の役割や協力して何かをしていこうという一体感が醸成されていません。
このような問題は露見するかしないかは別として、組織があればどこにでも生まれる問題です。解決のために上司が何をしなければならないのかが明確になっていないのです。
本来予兆があれば上司が直ちに介入し問題を把握、調整しながら部下の関係を良好にすることが必要です。
本質的には、ビジョンを出す→組織目標を明確にする→各部署に役割提示→個人への依頼→協働することへの誘導が行われなければなりません。
そのうえで、上司が二人に介入します。手順としては、それぞれに面談→なぜそのようになっているのかを把握→解決策を検討(個人の勘定と仕事は別、仕事のなかで相手のことを理解し合おうことから解決しよう)→二人の話合に同席→常に介入し続け、二人の関係がうまくいくように誘導というながれをつくることが通常です。
協働への組織的誘導や職員の属性に合わせたリーダーの日常管理が適切に行われることで解決できる問題です。